sagittaのお気に入り
本、音楽など、僕のお気に入りのものを紹介していきます。 中身はもちろん、僕の独断と偏見で書いていますのであしからず。 お気に入り=おすすめでもあります。ここで取り上げているものについて、詳しく知りたい!熱く語り合いたい!という方は、迷わずsagittaに連絡を!
カレンダー
06
2025/07
08
S
M
T
W
T
F
S
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
リンク
管理画面
新しい記事を書く
ある日の空の顔。
カテゴリー
小説 ( 14 )
小説以外の本 ( 3 )
音楽 ( 8 )
漫画 ( 0 )
遊び ( 0 )
自然 ( 0 )
食べ物・飲み物 ( 0 )
映画・ドラマ ( 1 )
その他 ( 1 )
最新コメント
光栄です!
[04/22 sagitta]
無題
[04/21 はりー]
なるほど・・・
[09/14 ゆうや]
はじめまして。
[11/23 きみ]
最新記事
お知らせ
(06/02)
芝崎みゆき『古代マヤ・アステカ不可思議大全』
(03/26)
森達也『世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー』(よりみちパン!セ)
(04/04)
湯浅誠『どんとこい、貧困!』 (よりみちパン!セ)
(04/04)
京極夏彦『嗤う伊右衛門』
(08/27)
上橋菜穂子「守り人」シリーズ
(08/27)
百万円と苦虫女
(03/22)
藤本ひとみ『皇妃エリザベート』
(03/09)
LOST IN TIME「明日が聞こえる」
(03/09)
LOST IN TIME『時計』
(05/23)
最新トラックバック
バーコード
RSS
RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0
ブログ内検索
アーカイブ
2020 年 06 月 ( 1 )
2013 年 03 月 ( 1 )
2010 年 04 月 ( 2 )
2009 年 08 月 ( 2 )
2009 年 03 月 ( 3 )
最古記事
いしいしんじ『ぶらんこ乗り』
(06/02)
角田光代『キッドナップ・ツアー』
(06/02)
山田詠美『ぼくは勉強ができない』
(06/02)
伊藤たかみ『ミカ!』『ミカ×ミカ!』
(06/02)
たつみや章『ぼくの・稲荷山戦記』
(06/02)
乙一「Calling You」
(06/02)
FucTrack『MUSICRACK』
(06/02)
LOST IN TIME『さぁ、旅を始めよう』
(06/02)
岩瀬敬吾『Bright Day』
(06/02)
風野潮『ビート・キッズ』『ビート・キッズⅡ』(講談社文庫)
(12/15)
2025
07,01
17:42
[PR]
CATEGORY[]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2010
04,04
10:36
湯浅誠『どんとこい、貧困!』 (よりみちパン!セ)
CATEGORY[小説以外の本]
これはすごい本だ。
さまざまな社会的なテーマを、中学生にも分かるように書いた、
理論社の「よりみちパン!セシリーズ」。
これは本当に素晴らしい本が多くて、
とても注目していたのだけど、この本は特にいい。
というか、中学生だけが読むなんてもったいない。
中学生から専門家まで、あらゆる人が読むといいと思う。
世の中はイスとりゲームのようなものだ。
イスから転げ落ちた人々が貧困になる。
「自己責任論」は「座れなかったヤツに問題がある」という考え。
だけど、「イスの数が少なかったのが問題だ」と
考えるべきじゃないのか?と湯浅氏は問題提起をする。
パン!セシリーズで僕がすごいと思うことは、
「中学生に向けて書く」ということの影響力の大きさを
著者がきちんと意識していて、
「自分の文章で中学生を言いくるめてしまわないように」、
ものすごく抑えて、いつも以上に内省的・自己批判的に
文章を選んでいるところだ。
この本は特に、前半がいい。
世間で非常によく言われている「貧困に対する反論」を、
質問形式で並べ、それにひとつひとつ答えている。
「努力しないのが悪いんじゃないの?」
「甘やかすのは本人のためにならないんじゃないの?」
「死ぬ気になればなんでもできるんじゃないの?」
「自分だけラクして得してずるいんじゃないの?」
「かわいそうだけど、仕方ないんじゃないの?」
どれも、メディアで聞き飽きた「自己責任論」の常套句。
それぞれへの答えが、ひとつひとつ丁寧で共感でき、
きちんと読者を考えさせるようにできている。
人間は実は公平なんかじゃない。
能力を発揮するための「溜め」が、それぞれ違う。
「溜め」の量によって、同じ努力でも結果の大きさが違う。
結果からさかのぼって努力の量を類推する「自己責任論」では、
この「溜め」の要素を無視しているのだ。
はっとさせられたのは、
「労働条件が悪くなる→貧困が増える→NOと言えない労働者になる
→社会全体の、労働条件がずるっと下がる」
という「貧困スパイラル」。
まさしくそういうことが社会ではものすごい勢いで進行していて、
「誰もが不幸になる社会」への道を突き進んでいることを、
肌で感じている。
僕も中学生の時にこの本に出会いたかった、と思う。
でも、今出会えてよかった、とも思う。
いつからでも遅くない。ぜひ読んで、自分の頭で、考えてほしい。
PR
コメント[0]
TB[]
<<
森達也『世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー』(よりみちパン!セ)
|
HOME
|
京極夏彦『嗤う伊右衛門』
>>
コメント
コメント投稿
NAME:
MAIL:
URL:
COLOR:
Black
LimeGreen
SeaGreen
Teal
FireBrick
Tomato
IndianRed
BurlyWood
SlateGray
DarkSlateBlue
LightPink
DeepPink
DarkOrange
Gold
DimGray
Silver
SUBJECT:
COMMENT:
PASS:
trackback
トラックバックURL
<<
森達也『世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー』(よりみちパン!セ)
|
HOME
|
京極夏彦『嗤う伊右衛門』
>>
忍者ブログ
[PR]