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2007 06,02 10:52 |
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種類:小説(児童文学)
最近はまっている、伊藤たかみの児童文学。 双子の兄妹、ユウスケとミカの物語で、『ミカ!』では二人が小学生、『ミカ×ミカ!』では二人が中学生になっている。 一応それぞれが独立した物語、ってことになってるけど、僕は両方とも続けて読むことを強く強くお奨めする。2冊とも文庫版が文春文庫から出てるし。 『ミカ!』で小学生の二人に思いっきり感情移入して、読み終わった後には彼らを見守りたくなるような気分になっているから、続けて読んだ、『ミカ×ミカ!』で二人が中学生になっているのを見ると、「ああ、お前ら大きくなったなぁ」と、親戚のおじさんのような感慨(?)を得られるからだ。 タイトルにもなっているし、明らかに目立つ主人公タイプなのは、妹で「オトコオンナ」のミカの方なのだけど、この作品は大人びていて優等生なお兄ちゃんのユウスケの一人称で描かれている。この構成がすごくいい。 それからこの作品には、涙を食べて成長する「オトトイ」という謎の生物だの、人間の言葉をしゃべる青いインコの「シアワセ」だの、どう考えてもファンタジーな存在が出てくるにもかかわらず、子供たちの中でそれが紛れもない現実として受け入れられていく。 この子供の世界特有の感受性と受容力なんかもさらっと描かれていて、わくわくしてくる。 というか、関西弁の子供ってかわいいなぁ。これはずるい。 文章もいいなぁ。ほんとに子供がしゃべってるみたいな、飾りのない素直な文章だ。 彼がそういう作家なのか、それともたまたま僕が読んだのがそうなのかは分からないが、今までに読んだ伊藤たかみ作品はすべてティーンエイジャーの一人称だ。 子供の一人称、というとどうしても大人に比べて限定した表現になりがちだけど (たとえば、子供らしくない難しい表現は抑える、とか)、彼のすごいところは子供が、子供の世界の中で100%なところだ。 彼の描く子供は、決して大人の未完成バージョンではなく、大人にあって子供にないものがある代わりに、子供にあって大人にないものをもっていて、考えていることの量だとか、大変さだとかはきっと大人とおんなじなんだ、と思わせる。 とにかく、読んでて楽しくてかわいくてほほえましくて、幸せな気分になれる。 子供向け? とんでもない。大人が読んでこそ面白い作品じゃないかなぁ。 PR |
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