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2009 03,09 23:17 |
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ジャンル:J-Pop
おすすめ度:☆☆☆☆☆(5/5) 迷走を続けていたように思われる、LOSTがようやく出したアルバム。 最初に聞いた時には、「あれ?」って思った。 歌い方が全然違う。 LOSTの特徴ともいうべき、心の底から絞り出すような、 胸が張り裂けそうな叫び声がどこにもない。 かといって、アルバム「時計」の時のような、 一音一音の響きを突き詰めた、芸術的な歌い方でもない。 頭を突き抜けるほどの、歪んだ、攻撃的なギターの音もない。 なんだ、全然エネルギーがないじゃないか。 やっぱりLOSTは挫折して、ふにゃふにゃになっちゃったのか。 だけど、そうじゃなかった。 今回の肩の力が抜けたような声、その理由は、声の射程にあったんだ。 声の射程。どこをめがけて声を出しているか。 今までの叫ぶような声、 それは誰もいないような空の高く高く、 あるいは遥か彼方にいる、「決して届かない君」、 もしくは空に映した自分自身、 そう言ったものに向けて放たれていた。 もっと遠くへ、もっと強く。 どこまでもどこまでも、貫くように。 ひとつだけ大きく歌い方の違う、「時計」の場合は、 その声が向けられていたのは「自分自身」に他ならない。 ひたすらに音の完成度を突き詰めて、内へ内へ。 自分自身の、奥深くへ。 ところが、今回のアルバム、海北大輔の声のターゲットは、 目の前にいる、君。 つまり、聴き手である僕たちだ。 このアルバムは、LOST IN TIMEが初めて、 自分自身に向けてではなく、僕らに向けて届けた曲だ。 アルバムの一曲目、「合い言葉」を聴いてみてほしい。 「君の心に さわりたい」と彼らが歌ったとき、 はじめて、言葉が直接、僕に届くのを感じて、震えが走った。 今まで、不器用にがむしゃらに走っているLOST IN TIMEを、 ただ眺めているだけだったのが、初めて、目と目が合った。 そう、これは、LOSTが初めて目を開けて歌った歌。 彼らはずっと、怖くて怖くて、 目を固く閉じて歯を食いしばって全速力で走ってきたから、 多くの人を置いていってしまったのだと思う。 ふと立ち止まって周りを見たら、彼らは一人ぼっちになっていた。 そしてたぶん、こう思ったんだ。 「独り言になんてしない 君の心に触りたい」 「僕は飛べなくてもいい 両手のままがいい」 PR |
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