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2007 12,15 10:57 |
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種類:小説(児童文学)
これはいい! 軽い気分で読めて、読んでいる途中も読み終わった後も気分爽快。 最近講談社文庫は、質の高い児童文学をどんどん文庫化してくれるからすごくうれしい。 これからも頑張れ! で、この作品だけど。 太鼓を叩く中学生、英二が主人公。 1巻ではブラスバンドのパーカッション、2巻ではロックバンドのドラムスだ。 音楽ものなのはともかく、主人公がパーカッションとドラムスってのはなかなか珍しいんじゃないだろうか。 だって、太鼓ってすごく地味だもんな。 それなのに、この作品のすごいところは、読んでいるうちに「いや、太鼓やないとあかんねん!」ってエイジと一緒に叫びたくなっちゃうところ。 それくらい、みんなでビートを刻んでいる時の描写が楽しくて幸せで、最高なのだ。 作品中で、エイジの家庭環境はあまりいいとは言えない。 父親は酒乱気味で仕事をしないし、母親は体が弱い。 家は、エイジが新聞配達で家計を助けなきゃいけないくらいだ。 だけど、エイジはそれを決して嘆いたりしない。 「自分が特別に不幸な人間だ」なんて悦に入ったりしない。 そういう環境に生まれたなら、その中で必死で生きればいいんだ。 どんな状況でも人を大事に思うこと、人に感謝すること、そして人生をひたすらに楽しむこと、それを決して忘れない。 そんなエイジだから、周りの人たちだってエイジを「悲劇の少年」としてなんて扱いやしない。 だからこそ、まっすぐにぶつかり合い、心を共有させ、信じあえる。 仲間の暖かさを感じられることは例えようもない幸福だけど、それは単に偶然なんかじゃない。 自分が人を信じること、世界を愛すること。それが全ての始まりなんだ。 大仰な悲劇で感動させようという意図があからさまな作品とは全く違う、自分自身で見つける幸せの形が、ここにある。 僕はロックバンドが好きだから、特に2巻が大好き。 みんなで協力して、バンドが成功するための過程、というスポ根なノリでは全然なくって、今自分がここで、ドラムを叩いて音楽を生み出していることへの震えるほどの喜びを書いているところが本当にすごくいい。 子どもにも、大人にも、みんなに読んで欲しい。 もとが児童文学だから、「本を読むのが苦手」という人にもすごくおすすめ。 文庫だから500円しないし。 騙されたと思って読んでみて! PR |
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